「……は?アンタ誰?ただの喧嘩だから、部外者は黙ってて」
『ただの喧嘩にしては度が過ぎてない?髪の毛を掴む必要なんてないよね?…同じこと、しようか?』
こういう威勢がいいだけの女は、こちらが強気に出れば逆に弱気になるはずだ…っと、軽く一発叩いてやろうかと手をあげてから─…
───藍ちゃん、暴力はダメだよ
っと言った篠宮の顔が浮かんで、手を止めてしまった。次の瞬間…相手の女からの平手打ちをまともにくらって、、
『─…正当防衛、ってことで。いいよね?』
───篠宮?
心の中で篠宮に確認をとった上で、拳を握り…相手の女の顔面をグーで殴った。だって先に頬を叩かれたし、ムカついたから。
「…………逃げましょうっ!!!」
突然、もう一人の"いじめられていた方"の女の子が私の腕を掴んで全力で走るものだから…足がもつれて、息が苦しくなる。
──ちょ、全力疾走はまだダメなんだって!!
『まっ…待って─…ちょっと、休憩させて、』
何から逃げているのかは不明だが、とりあえず少し休ませて貰いたかった。
近くの公園に二人で入って、叩かれて腫れている私の顔を見て焦った女の子は…自販機で水を購入し、それを直で私の頬に押し当ててくる