「─…痛ってぇな、、何すんだよ」



たったいま、ベッドから突き落とされたその男は…地面に倒れることは無く、反射神経がいいのか普通に着地した。クセに"痛い"なんて言って文句をたれている。




『目が覚めて、知らない人が隣で寝てたらみんな同じことをすると思う』



身体を起こして反論すると、彼は不思議そうな顔をして私を見つめる




「──え、俺のこと知らねーの?」




……なんだ、このビックリ自意識過剰発言は




確かに、彼のルックスは…いい方だと思う。汚いオレンジ色じゃなくて…ミルクティーみたいな綺麗な金髪に、二重瞼のクリっとした瞳の下にある涙袋はぷっくりとしていて─…可愛い。




『………有名人?芸能活動してるとか?』



人気男性アイドルグループの一人だと言われても"あぁ、なるほどな"と納得してしまうような容姿だったので、正直に思ったことを口にしたのだが、、




「芸能人…ではないね。けどまぁ、この学校では有名人かも─…俺、モテるから」





───しょーもな。




真剣に話を聞いて損した。