そんな風に毎回、篠宮麻斗をけちょんけちょんにしているせいで…クラスメイトたちから、




「三澄さんって、何者?!」


「麻斗くんが押されてるっ、負かされてる!」


「無敵すぎん?!カッコイイ、藍ちゃん」




謎にカッコイイ…と賞賛されることが多々あった。篠宮麻斗を言い負かすことが出来る人間はどうやらあまり存在しないらしい。





「藍ちゃん、藍ちゃんっ!一緒にお昼食べよう!」




クラスの女子に囲まれて、みんなでお弁当を広げていても…必ずそのあとすぐに現れる篠宮麻斗が私の隣に座るせいで─…




女子トークというものはいつも中断される




───こーいうとこ、ウザいな




「藍ちゃんのお弁当って、いつも美味しそう。お母さんの手作り?それとも自作っ?!もし藍ちゃんの手料理なら一億払うから食べさせて」



『私の手料理じゃないけど、一億円ちょーだい』




お弁当箱に入っていた卵焼きを、篠宮の口の中に押し込んでやる




すると、周りで傍観していた女子たちが楽しそうに笑ってくれる。……それが、嬉しい。