「俺ね？理事長の息子で、、」
『……っえ、嘘…』
「うん、嘘─…本当は、実家がヤクザ」
『……ほんとに？』
「いや、冗談。実は…暴走族の総長っ、」
『どーせ、それも嘘でしょ』
真剣に話しを聞いて損した。こいつと話しをしていると疲れる。しょーもない、もう騙されないからな。
「いやぁ…今のはガチなんですけど、、」
後ろでモヤモヤ小言が聞こえてくるが全部無視する。っていうかこの人、どこまで着いてくるつもりっ？！
「あのさ、藍ちゃんどこで降りるの？さすがに遠すぎない？」
向こうも同じようなことを思っていたのか、私の降りるバス停を尋ねてくる
返事をする代わりに、＂次、停ります＂のボタンを押して次で降りることを間接的に伝えた
停車したバスに定期をかざして降りる私の後ろから、小銭をバラバラと入れて支払いを済ませた篠宮が一緒に降りてきた
『……バス通学じゃないの？』
「ん？俺？二輪車通学」
『……普通に自転車って言えば？』
「……藍ちゃんって、面白いね」
なにが…？っていうか、、
『どこまで着いてくるのっ？！』
「ん？藍ちゃんちまで送ったら帰る」
『そーいうの、ウザいっ』
「いいじゃん、もうここまで来ちゃったし」
手を繋ごう…っと言い出して私の手を握った篠宮を、思いきり突き飛ばす。
