「って事で─…とりあえず遊佐んとこ行くか」



………なんで?



「終わらせよう─…俺一人で遊佐の高校に乗り込んでも警戒されて終わるだろうから。お前ついてきて一緒に遊佐を説得してよ」



『……嫌だよ、なんで私が、』



「俺昨日…遊佐の大事にしてる女と接触して遊佐にかなり警戒されてるんだよね。藍ちゃんが一緒に来てくれれば、さすがに遊佐も麻斗がヤバい状態になってるって気付くでしょ」




………コイツ、クズだな?




『遊佐くんの大事にしてる女の子って…蓮水さんでしょ?彼女に何かしたの?最低、滅びろ、死ねっ』



「いやいや、何もしてねぇよ。たまたま鉢合わせたからちょっと話そうと思っただけ!指一本触れてないからっ……いや、ちょっと腕は掴んだけどっ、」



『サイテー、最悪、』



「ちょっ…うん、まぁ…俺が間違ってた。遊佐は一人高校も別のところ受けて連絡もつかなくなったから…ずっと、許せなかったんだ」





だからといって彼の大事な女の子を利用しようなんて考えは間違っている




「痛ってぇ…ちょ、なんで殴るの?!」


『遊佐くんと蓮水さんの怒りを代わりにぶつけただけ。正当防衛、私は悪くないっ!!』





二人に背を向けて歩き出す。そんな私を慌てて追いかけてくる日向。志帆さんはその場でじっと立ち止まって私を追ってくることは無かった。