「一緒に食べよう…はい、いただきますっ!」



向かいの席にもう一皿用意して、一緒に食べようと言ってくれる篠宮。それが少し照れくさくて…恥ずかしいけど、、素直に嬉しかった。




『─…いただきます』



スプーンを手に取り、フワフワのオムライスを崩しながら口に含めば…口いっぱいに広がる優しい味に…泣いてしまいそうになった




「……ん?!っえ、ちょ、どしたの藍ちゃん」



私の様子に気づいたのか、席を立って私の隣の席に移動してきた篠宮。




「不味かった?!吐き出していーよ?!ちょっと待って、とりあえず水飲む?!」



慌てて私に水を差し出してくる篠宮の手をギュッと掴んだ。



『違うのっ…美味しくて、、泣いてるだけ』


「………は?!え、泣くほど美味しい?」


『うん…凄く、優しい味がする』



涙を拭って再び篠宮の作ってくれたオムライスを口に運ぶ。……美味しい。凄く、美味しい。




「そっか…口にあって良かった。藍ちゃんの為ならいつでも飯くらい作るから…もう俺の前から居なくなろうとしないでよ」



私の髪を撫でてから、篠宮も自分のお皿を引き寄せて…私の隣の席で黙々と食べ始める。