「藍ちゃん、リビングでコイツらとゲームして待っててくれる?すぐ飯作るから…」
………っていうか、
『ねぇ、寝なくていいの?もう結構夜遅いけど、』
「いーんだよ。眠くなったら適当に寝んだろ」
いいのかな…?子どもとあまり関わったことがないから分からない。っていうか、
『あ…あの、他にご家族の方は、』
「ん?あぁ、うち母子家庭だからね。夜は母ちゃん仕事で基本居ねぇんだよ」
………そーなんだ。
「夜は麻兄《あざにぃ》居ないこと多いから、二番目のお兄ちゃんがお世話してくれるの!」
二番目のお兄ちゃん…って、どの子だろう?
「あー…もう一人、ひとつ下に弟いるんだよ。いま中3で受験生だからってずっと部屋にこもってんだよね」
『そっか…5人兄弟なんだね、賑やかだね』
「まぁね、基本晩飯は俺が作ってるから…藍ちゃん安心して待っててよ!!」
意外だった。篠宮が長男で兄弟の世話をしていることも、母子家庭だったってことも…全然知らなかった。
篠宮は自分の弱いところというか、そーいうのを周りに見せないようにしているのだろうか?
──…辛くなったりしないのかな?