「籃ちゃん、メシまだでしょ?俺が作ってあげるから、一緒に食べてから帰ろう」



私の返事を聞くことなく…ヒョイっと軽々しく身体を持ち上げられ、すぐ側に停められていたバイクに乗せられた



「手も、足も傷だらけ。頬も腫れてるし、ちゃんと手当てしないとね…家に帰れないなら俺が保護してやる。籃は俺の大切な…友達だから」




ちゅ…って、おデコにキスを落とした篠宮。




『……なにそれ、恋愛ドラマのセリフみたい、寒い。早く出発して』


「………はいはい。分かりましたよ、お嬢様」



前に座った篠宮の背中をグーで殴っておいた。




「じゃ、しっかり俺に掴まってね?」



《《<->》》
《《%color:#222222|【俺ね、初めてなんだよね…麻斗がバイクの後ろに女乗せてるのを見たの。】》》



《《<-》》
遊佐くんに先程言われたことを思い出して…なんだか緊張してしまう。…本当なのかな?




もしそれが本当なら…凄く嬉しい。




「……籃ちゃん?早く掴まって?」



いつまでも手を回さない私にしびれを切らせた篠宮が、手を掴んできて…半ば強制的に腰に手を回された



「では、麻斗…行きまーすっ!!」



なんて、バカっぽいことを言いながらバイクを出発させた篠宮は…そのまま国道に出てかなりのスピードで車の間をすり抜けていく




──バイクに乗るの、得意なのかな?




っていうか、バイクの運転に得意とか不得意とかある?不得意だったら免許取れてないのかな?…にしてもっ、、




『ちょ、ちょっと…飛ばしすぎじゃないっ?』




っと、声を掛けずには居られないほどのスピードに…腰に回していた手にギュッと力を込めて身体を密着させる