その1週間後、丸岡と鹿久田とわたしは再度校長候補について話し合った。
 三人で候補者を出し合い、自分たちが求める人物像かどうかを議論した。
 しかし、合意できる人物は見つからなかった。
 どの人も、帯に短し(たすき)に長し、だった。
 ピッタリ来ないのだ。
 
「トップの人選は大事だからね」

 妥協するつもりがない丸岡は自分の案を引っ込めた。
 
「確かに、人選を間違えたら取り返しがつかないことになるからね」

 鹿久田は推薦者を書いた紙をポケットに仕舞った。
 
 わたしも二人と同意見だったので、再度候補者選びに戻ることにした。
 
 しかし、目を皿のようにして探してもこれはという候補者は見つからなかった。
 そして遂にこれ以上探しても無駄だと思うようになった。
 
「やっぱり夏島さんしかいないよな~」

 丸岡が未練たらしく呟いた。
 
「そうだけど……」

 わたしは断られた時の夏島の顔を思い浮かべた。