コンビニで簡単に消毒液や絆創膏を買い、近くにある公園のベンチに麟くんを寝かせた。
気を失っている麟くんを流石にこのまま放置する訳にはいかず、目が覚めるまでここに居る事にした。
「はい」
「あ…。ありがとうございます」
公園内にあった自販機で水を買って来てくれた蒼井さんにお礼を言うと満足そうに「おう」とだけ返された。
「…血、出てます。蒼井さんも消毒しましょう」
「いい、このくらい平気」
「そういう訳には、」
「……はいはい」
右手を差し出され、好きにしろと言われた。
左手で蒼井さんの手を支え消毒液をかけた。
「蒼井さんが居てくれて良かったです」
「…なんで助けようと思ったんだよ」
「なんでって、別に…。友達だし、助けるのが普通でしょ?」
「…あぁ、普通はそうか」
消毒液が傷に滲みないのか、単に痛みに強いのか、蒼井さんは顔色1つ変えずに私のされるがままだ。