「……はっ?話しかけたの!?」

「え?うん、近くにいたからつい…」

「バカ!大丈夫だった?何もされてない?」

「別に、すぐどっか行っちゃったし」


はぁ、とため息をつかれてしまった。


「色んな噂があるって言ったでしょ?ヤクザの人と関わりがあるとかそういう噂なの!」

「ヤクザ?あぁ。でも皆が言うように危ない人には見えなかったけどなぁ」

「もう!危機管理能力低すぎ!」


売店で買った菓子パンに齧り付きながらさっきの事を思い出していた。

沸点が低いと言われる割には寝起きで殴られる事はなかったし、なんならこのまま押していけば話くらい普通にしてくれそうな感じだった。