目が合って。

しばらく沈黙がおりる。



繋いだ手はそのままに、恭介くんのもう片方の手が。

私の頬にそっと触れる。



「美春ちゃん……」



そんな声で、名前を呼ばないで。



気持ちが溢れて。

なぜか泣き出してしまいそうになる。



星が瞬いて。

きっと私達に当たるのは。

優しく甘い、スポットライト。



見つめる左右の目が、揺れてしまう。



(……あ、恭介くんの瞳の中)



私が映っている。



キラキラ輝くその瞳に。

どうか私を閉じこめてーーー。






「…………ごめん」
と、恭介くん。



(えっ?)




「ごめん、急ぎすぎたかも」

「……?」

「ちゃんと大切にしたいし。いや、大切にする。絶対に」



そう言う恭介くんは私の頬から手を離し、
「帰ろっか。お家の人、心配するよね」
と、私から視線を外す。



(…………)



その時。

自分が思ったことに、自分で驚いた。