恭介くんは頷き、
「そう! それ! 花火あるんだって知った時にさ、どうしても美春ちゃんと行きたいなって思って」
と、楽しそうに言う。



(嬉しい……!)



その時に思い出してもらえたことも。

実際に一緒に行けることも。

何より、恭介くんが楽しそうで。



(嬉しい感情が、どんどん募っていく……)



こんな幸福なことを。

私、今まで知らなかった。



恭介くんの楽しそうな表情を、じっと見ていた私に気づいた恭介くんは、
「ん?」
と、口角を上げた。



(その表情、反則!)



胸の中がときめきでいっぱい。

私、きっと今、ときめき成分に溺れている。



だから。

ついうっかり口走ってしまった。



「私もポスターを見つけた時、恭介くんのことを誘おうと思ってたんです」



恭介くんは、
「あ、そっか。オレがしばらく連絡できないって言ったから、もしかして連絡するのを遠慮してた?」
と言って、
「ごめんね」
なんて謝った。