「あの、恭介くん、テストは……?」
『ちゃんと受けたよ。まぁ、結果はわからないけど、頑張りました!』
「お疲れさまでした」
『ありがとう』
恭介くんが、
『B駅に向かっているから、駅で待ち合わせでいい?』
と言って、電話を切った私は急いで支度をした。
駅に到着すると。
恭介くんが片手をあげて、
「急にごめんね」
と、笑った。
「今日、会えると思っていなかったから、すごく嬉しいです」
思わず、素直な気持ちを伝えてしまった。
言ってしまったあと、
(あっ!)
と、我に返って顔が赤くなっていくことがわかる。
「オレも嬉しいよ」
と、恭介くんが言った。
ニコニコ笑って。
たったひと言だけど。
そのひと言が、泣きそうになるくらい嬉しかった。
「知ってる? なんか、海岸でイベントがあるって」
「あ、知ってます。花火とかもあるって」