「あれ、数えられたなら、ちょっとすごい自慢だよね」
「はい。あれは……、無理です」
ふたりでケラケラ笑う。
恭介くんがふいに私をじっと見て。
頭を優しく撫でてくれた。
「まぁ、美春ちゃんが笑ってくれたから、貨物列車に感謝かな!」
そんなことを言われて。
私の顔がボッと赤くなってしまった。
お願いを出来なかったことは、残念だった。
だけど、それで良かったのかもしれない。
(そうだよ、自分の力で恭介くんのそばにいなくちゃ)
自信なんてない。
だけど、自信にできることを探す努力を、私はしたことがない。
自分の気持ちを素直に伝えられないけれど。
伝えたい、とは思っているから。
こんな自分を変えたいって。
そう思えるから。
私は、弱気な私のままじゃない。
きっと変われる。
だって。
恭介くんの隣にいたいから。
そばにいたいから。