「本当にただ水に浸かっているだけなんですけど、画面から飼育員さんの見守るあたたかな眼差しが想像できます」

「そう! オレ、思わずいいねしちゃったもんね」

「わかります。いいね、ずっと押していたいです」

「あはっ、その気持ちもわかる!」



恭介くんが嬉しそうに笑ってくれて。

私はその時、ふと気づいた。



(あれ?)



さっきから私……。

自分の気持ち、素直に伝えている……。



意見を言っても。

本当の気持ちを話しても。



いつもみたいに、不安に襲われなかった。




(自然に話していた……)




そう思うと。

いつもの心の中にずっしりと重く沈んでいた、不安な気持ちが。

ちょっとだけ。

軽く、ふんわりと浮かんだように感じた。



(恭介くんだからかな?)



なぜだかわからないけれど。

居心地の良さがある。



ドキドキするし。

勝手な思い込みをして、やっぱり不安にもなったことがあるけれど。