そして、 「……りんご」 と、言われた。 りんご? なぜ? (あっ……!) もしかして。 そう思って、私はこう言った。 「ご、ごりら……?」 恭介くんは嬉しそうに笑って、 「らっぱ」 と、続ける。 しりとりゲームが始まったんだ。 私達、小さな子どもみたい。 だけど、こんなに楽しいしりとりゲーム、私は知らない。 結局しりとりは私が負けたけれど、まるで心が歌っているみたいに、ごきげんだった。