そんな優里亜ちゃんとは対照的に、章二くんは、
「あぁ、笠松先輩ね」
と、どこかシラけたような表情になった。
「?」
何か気に障ることでもしてしまったのかな?
章二くんの様子がいつもと違うな、と思った。
(私が浮かれ過ぎていて、うっとうしかったのかな……)
優里亜ちゃんの言う通りで。
今までなら市立動物園のSNSばかり見ていたのに。
ここ最近は恭介くんとのメッセージを読み返してばかり。
(彼女でもないのに……、そういうところって周りの人からしてもウザかったりするのかな……)
恋をしたことがあまりないし。
今まで優里亜ちゃんと恋バナをすることもなかったから。
どういう行動や言葉が、周りの人の気に障るのか、私にはわからない。
章二くんをチラッと見た。
目が合う。
「何?」
「……あ、あの、ご、ごめ……」
謝りかけたその時。
私のスマートフォンが震えた。