文化祭が終わって、一週間程経った。

私は恭介くんとメッセージのやり取りをするようになって。

自分が、ほんの少しだけ地面から浮いているんじゃないかと、疑うくらいに。

浮かれた日々を過ごしている。



県立A高校。

一年二組の教室。



「美春〜、またスマホ見てるの?」



優里亜ちゃんがニヤニヤしながら、私の席に近づいてきた。



「文化祭が終わってから、いつもメッセージ画面を見てるよね」

「……いや、あの……」

「照れなくていいんだってぇー!」
と、優里亜ちゃんが軽く私を小突く。



「今までの美春だったら、スマホいじってる時っていっつも市立動物園のSNS見てたけど、もう今や、恋する乙女だもんねー」

「…………」

「ありゃりゃ、耳まで真っ赤にしちゃって!」



明るく優里亜ちゃんが笑う。

そこへ章二くんが、
「何? どうした?」
と、声をかけてきた。



「美春の恋の話〜」
と、優里亜ちゃんがニコニコしている。