私が笑顔で頷けば
響さんは私の手を取り中に入ろうとしたが



「…これは若頭様、奥様とお散歩ですか?」



突然聞こえたその声に私が振り返れば
50代くらいの2人の男性が私達を見ており


「…とても可愛いらしい奥様ですね?
過去の幼馴染みの方への想いは
払拭されたんですか?」


どこか穏やかでない雰囲気で
私をジロジロと見ている男性達。

響さんの過去の事を言っている様子で...


「それとも身代わりとして見て愛されているんですか?小柄で顔立ちもそっくりですし…」


1人の男性が言葉を続けようとした瞬間…


その男性達に背を向けたまま立ち止まっていた響さんは、急に私の手を強く引くと
そのまま玄関の中に入った。