響さんに優しく手を握られながら
しばらく満月を眺めていれば


「…ルナ、そろそろ寝ようか。
夜更かしは身体に悪いから」


響さんはそう言うと
私の手を握ったまま立ち上がろうとし

私も自然と立ち上がれば
そのまま隣同士に敷かれた布団の方に向かい


「ルナ、おやすみ」


そう言って離された手に
少し寂しさを感じてしまったけど


…でも私は今後も響さんと
これ以上触れる事は出来ないだろう。


私は幼い頃に心臓病を患い
手術をして命に別状はなかったものの

それからというもの病弱で体力もなく
少し無理をすればすぐに発作と熱が出て
寝込んでしまうから。