「…呼び方が
あまり気に入りませんでしたか?」


響さんの表情が気になり不安になっていれば


「…いや、嬉しいよ。
やっとルナが名前を呼んでくれたから」


響さんは再び笑顔を見せながら
私をじっと見つめると


「ルナ、手を繋いでもいい?
それでも心臓に負担が掛かる?」


甘い表情をしながらも
私の体調を心配してくれているようで


「…いえ、とても嬉しいです。
ぜひ…手を握って下さい」


私は少しドキドキしながらも
手を握って欲しくてそう口にすれば

私が太ももの上で重ねて置いていた両手の上に
響さんの大きな手が被さるように触れてきて


「…ルナの手は小さいな」


そう言って優しく握ってくれた。