「…ルナ、好きだよ」

響さんの口から出た"好き"という言葉に
抱き締められながらドキドキしていれば


「…ルナは俺の事好き?」


響さんは私の目を見ながら
甘い表情で聞いてきた。


「…はい」


私も"好き"と言おうとしたけど
でも…私はその言葉を言うのが
どこか怖かった。


響さんに好きだと言ってしまえば自分の心がどんどん欲張りになっていく気がして…

私みたいに病弱で子供を授かるのが難しい人間が響さんの傍にいて良いのかと、やっぱり思ってしまう気持ちもあるから…


まだ…その言葉は1度も伝えられていなかった。