でも私が深い眠りに付いている夜中に


「…あぁ、別にいいよ」


私から少し離れた所で
響さんがまるで私に話すような優しい口調で
誰かと電話をしながら


「そんなに気にしなくていいから…"ゆづ"」


切ない表情で
別の女性の名前を呼んでいたなんて

私は何も知らなかった。