「…私はもう十分色々と頂いておりますよ。
響さんは普段の仕事でお疲れなんですから
私の事は気にせずゆっくり休まれて下さい」


「俺は1人で休むよりもルナといた方が
ずっと癒される。
だから今もこうして手を繋いでるんだから
…もっと俺からの愛を自覚してよ」


響さんは自分が繋ぎたいからと口では言って
私と今こうして手を繋いでくれているけど


…私がさっきお見合いの事を思い出して
複雑そうな表情をしていたのを見て
落ち着かせる為に繋いでくれたんじゃないかと
思っていた。


まだ出会って少ししか経ってないけど
響さんはよく人の事を見ている。

それは柏木組という大きなヤクザ組織の若頭としての立場上の事もあるだろうし
観察能力も優れていて当たり前かもしれない
けど…

…まだ知り合って間もない私の傍で
"眠る"という凄く無防備な姿まで見せながら
優しく笑い掛けて心配までしてくれる響さんは

何だか私の事を人一倍見ててくれている気がして…勝手な思い込みかもしれないけど
それが凄く嬉しくもなる。