いつもは意地悪でツンツンしているナオ。


 「ねぇ、ナオ……」

 「……ん?」


 そんなナオは眠いときだけ……。


 「腕枕して欲しい」

 「うん」


 “デレ”になる。


 スッと伸びてきた腕と肩の間に頭を置く。そしたらナオはいつも通り私の頭を撫でてくれた。


 恋人同士がするこのスタイル。中学生の頃に甘えたくて仕方がなくて、ナオに甘えたのが始まりだった。


 年頃って言ってもナオは一度も私に破廉恥なことをしてこないし、絶対的な信用がある。だから未だにナオが泊まりにくると甘えてしまう。


 だって頭を撫でてくれる人なんて“デレ”のときのナオくらいなんだもん。いつもこの眠りにつくまでの時間が楽しみで仕方がない。


 それにナオがする腕枕って凄く心地よくて直ぐに眠くなる……。


 「ナオってお兄ちゃんみたい」

 「年齢的には、ね」


 眠りに落ちる瞬間、ナオに抱き締められた気がした──。