「……とりあえずセーフ?」

 「また明日、怒鳴り込んでくると思うけどね」

 「じゃあ、大丈夫だよ!明日はサナちゃんと遊びに行くもん」

 「サナ?あぁ、野崎さんか」


 私の話に相槌を打つとナオは眠そうに目を擦った。布団を首元までスッポリ被って完全に眠る体制に入っている。


 「ナオ、もう寝るの?漫画は?」

 「……起きてから読むつもり。今日はもう疲れたから寝る」


 体を揺らすとナオは小さな声で返事をしてきた。どう見たって瞼が重くなってきている。


 だから急いで部屋の電気を消して、滑り込むように私も布団の中に潜り込んだ。ナオが寝ちゃう前に気になっていたことを聞かなきゃ……。


 「ねぇ。さっきはどうしてムキになってたの?」


 ナオの肩を揺すりながら尋ねる。ショウにキレられている間もずっと気になってたんだよね。親戚同士のキスもカウントに入るって、ナオがムキになって言い返してきたこと。

 理由を教えてくれなきゃ気になって眠れない。