昔から少女漫画が大好きで、色んな少女漫画を買い続けてきた私。今は溜まりに溜まって、部屋の本棚に300冊くらいある。ナオはそれを読みに気まぐれに私の部屋を訪れる。


 「貸してもいいよ?」

 「遠慮しとく。こんなの読んでるって知ったらアイツら煩いし」

 「そんなにショウ達にバレたくないの?」

 「うん」


 皆にからかわれる場面を想像したのか、ナオは心底嫌そうに顔を顰めた。それでも漫画から目を離さないけど。


 確かにあの3人が知ったら猛烈にからかいそう。 『お前、少女漫画って。超乙女チック~。そう言えば前から仕草とか女っぽいと思ってたんだよなー。実は女じゃねーの?脱いでみろよ。ほら』とか言って。


 「何でもネタにするもんね。あの3人は」

 「うん」

 「別にいいのにね?男の子が少女漫画を読んだって」

 「カンナ、煩い。今、いいところだから黙っててくれない?」


 首を縦に振って納得する私にナオは煩わしそうな声を返してきた。邪魔するな、と言わんばかりに冷たい眼差しを送られて思わず固まる。