いや、そんな星があったら撃ち落としてやりたいけども。

「…………」
 地面に仰向けに寝転がって、霞んだ視界に広がるのは木々の枝葉の天蓋と夜空。

 視界の右側には高く切り立った崖がある。

 私、あんな高さから落ちたんだ……良く生きてたな。
 身体の周りに散らばってる枝葉がうまく緩衝材になってくれたんだろうな。

 でも、落ちた代償は決して軽くはなかった。

「げほっ……」
 咳き込んだ拍子に口から何かが溢れて零れた。
 認めたくないけど、味と臭いからして血ですね、これは。

 ああ、痛い。
 地面に打ち付けたのであろう背中はじんじんするし呼吸も苦しい。

 背中だけではなく身体中、そこかしこが「痛い!」と大合唱している。

 特に痛いのは右足首だ。
 打撲か、もしかしたら骨折してるかも。

 ……私、死ぬのかな?

 朦朧とする意識の中、私の墓を踏みつけて高笑いするローザの姿が浮かぶ。

 このまま死んだらあの女の思うつぼだ。

 ――絶対死んで堪るか!!

 激しい怒りは原動力となり、私の壊れた身体を突き動かした。

「……なんの……これしき……!」