「まさか、アリア?君はアリアなの?」

 イベリスに呼ばれてアリアは返事をしようとした。だが、言葉が出ない。とりあえずアリアはにっこりと微笑んだ。

「わぁ!すごい綺麗!可愛い!すごいや!」

 イベリスがアリアの元に走り寄り、抱きついた。

(やああああん、可愛い!いつもはイベリスにモフモフされたり抱っこされたりしてたけど、イベリスをこうやって抱きしめる側になるなんて!嬉しい!)

 アリアは嬉しそうにイベリスを抱きしめる。イベリスはアリアの腕の中でうふふ、と嬉しそうに笑った。

「ねぇ!二人ともすごいよ!アリア、とっても可愛いよね!」

 イベリスにそう言われたモルガとサイシアの顔はまるで魂が抜けたかのようにぼうっとしている。そしてイベリスの声に我に返るが、アリアと目が合いアリアが微笑むと、二人は両目を開いて顔を赤らめる。

(うわ……なんて美しい姿なのでしょうか、さすがは聖獣としか言いようがありませんが……それにしてもこんなに美しく可愛らしいとは思いませんでした)

(……すごい綺麗だ、しかも笑うと可愛い。心臓が撃ち抜かれたみたいに痛い)

「二人とも見惚れすぎだよ!ほら、アリアも戸惑ってる」

 二人の様子にさすがのアリアもどうしていいかわからない。言われた二人は今度こそ我に返り、それぞれコホンと咳払いをした。

「申し訳ありません。……アリア、あなたはまだ話ができないのですね?」

 モルガに言われてアリアは大きくうなづく。

(くっ、一挙一動がいちいち可愛い)

 アリアの様子にモルガもサイシアも胸をときめかせながらなんとか平常心を保とうとする。

「おそらく人化してすぐだからなのでしょう。この国の言葉を学べばすぐに話すことができるかと」
「だったら一緒に勉強しよう!僕が教えてあげるよアリア!」

 そう言ってはしゃぐイベリスに、アリアはとびきりの笑顔を向けた。そしてまたモルガとサイシアは悶絶する。

(うっわ可愛すぎる)
(……心臓が張り裂けそうだ)