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 翌日、サイシアとモルガはモルガの部屋で昨日のことを話し合っていた。その場にはイベリスの部屋を抜け出したアリアも当然のように陣取っている。

「アリア、どうしてあなたもここにいるんですか。また部屋を抜け出したのですね、今回はあなたのおかげでイベリス様を助けることができましたが、部屋を抜け出すのは良いこととは思えませんよ」

 モルガの小言にアリアは素知らぬ顔だ。

「そもそも部屋を抜け出すってどうやっているんだ?」
「聖獣はありとあらゆる魔法を使えると言い伝えられています。部屋を抜け出すことなど造作もないのでしょう」

 モルガの返答にサイシアはじっとアリアを見つめる。

(サイシアって顔はすごくいいんだけど無表情でちょっと怖いっていうか、とっつきにくいのよね)

 アリアはモルガの足元にそっと隠れる。そんなアリアの様子に、モルガはアリアをそっと抱え膝に置いた。

「しかしアリアは本当に手触りが心地よいですね。いつまでも撫でていたくなる」

 モルガはアリアを優しく撫でながら言った。そんなモルガの様子に、アリアもまんざらではない。

(モルガもイケメンだし、丁寧な口調と同じように撫で方もとても丁寧なのよね。結構繊細で優しい撫で方をしてくれるからモルガも好きよ)

 アリアはモルガの手に頭を傾け、嬉しそうに目を細めた。

「そんなに気持ちいいものなのか?」

 サイシアがモルガに撫でられるアリアを眺めてそう呟くと、モルガはふふ、と笑った。

「サイシアも触ってみますか?とても気持ちがよくて癒されますよ。何より可愛いですしね」

 そう言ってアリアを渡そうとするモルガに、サイシアは慌てて遠慮する。

「い、いや、俺なんかに撫でられてもアリアが嫌がるだろう。俺はあまりアリアに好かれていないようだし。それに俺の手はゴツゴツしてきっとアリアも嫌がる」
「そうでしょうか。聖獣のアリアならそんなことは気にしないと思いますよ。どうしますか、アリア?」

  モルガがアリアを抱えながらそっとアリアに尋ねた。