無理矢理口内に差し込まれたポッキーは、私の好きなチョコ味。


おいしいけど、そんな場合じゃない。



「かわいー。」



眉間に皺を寄せてこれでもかというくらい嫌悪感を表現しているのに、そんな顔を見て彼はこう言う。


趣味が悪いとしか言いようがない。



「……、」


「あーあ。折っちゃった」



せめてもの抵抗としてポッキーをわざと折ってやると、今度は一条さんの方が不機嫌そうに眉を寄せて。



「折っていいなんて言ってないよね?」



発せられたのは冷淡さを含む声音。



次の瞬間一条さんの唇が私の唇に重なり、ゆっくり口内に舌が入ってきた。