「男の人、嫌いなの」


関わりたくないから、そう言った。
でも実際そうだった。
私はあまり、男の人が好きじゃない…。


「え?」

「だから仲良くなれない、ごめんなさい」

「弥生とは話すのに?ってかだから流風がいいわけ?」


だから流風がいいの意味が分からず。


「なんで嫌い?何かされた?殴ろうか?」

「真耶くん」

「真耶でいいよ」

「もうチャイム鳴ったから、戻った方がいいと思うよ」


真耶くんは少しだけ不機嫌な顔をしたけど、すぐに子どもじみた表情になった。


「じゃあこれ、放課後届けて」


私の机の上に置きっぱなしの真耶のスマホ。
そのまま教室から出ようとするから。


「ちょ、ちょっと!」

「俺、4組」

「なんでわざわざ忘れるの?!」

「さあ?考えて」


考えてって…。
意味のわからないことを言う真耶に、眉間のシワが深くなる。



「考えて考えて、俺の事で頭いっぱいになって」