他の召喚魔法で用意する道具は、とってもむずかしいものばかりだった。

 でも、これだけは用意する道具は簡単だった。

 でも最後に用意するものは、おじいちゃんには難しかった。
 おじいちゃんには難しかったけど、光には簡単だった。

 なぞなぞみたい。
 その答えは……。
 それは術者が『子ども』である事が条件だったからだ。

「水晶をここに……、この図形を書いて……、ここにフライドチキンの骨を……」

 メモしたとおりに魔法陣は完成した。
 最後に、おじいちゃんの残した炎のように真っ赤な石がついているステッキを持つ。
 辺りはもう暗くなってきた。

「(これは一発勝負だ!)」

 ドッキドッキとなる心臓を右手でおさえ、息を思いっきり吸い込んだ。
 そして一気に吐き出すようにとなえる!


「フグガシャフグガシャ・ミメンドロ・バードロガ・アーバス・ザッカロイ・メドバ・アーバス。フグガシャフグガーシャ・ミメンドロ・バードロガ・アーバス・ザッカロイ・メドバ・アーバス。フグガシャフグガシャフグガーシャ・ミメンドロ・バードロガ・アーバス・ザッカロイ・メドバ・アーバス……いでよ我が友よ、我が名はヒカル……汝らとの交流を望むもの……フグガシャフグガーシャ・ミメンドロ……フグガシャフグガーシャ・ミメンドロ……我が前に現れよ!」

 最後は両手を空にかかげて、光は叫んだ。