「麻那人って……」 

 麻那人は今日の学校の授業でも、ラーが言うように頭がよくスラスラと答えていた。
 でも、知らないこともあるようでかたよっている? と光は思う。

「ん~?」

「あとで教えてあげるね! いっただきま~す」

「いただきます!」

「あ、麻那人君、骨があるからね」

 ガブッとそのままかぶりつきそうになった麻那人を、お父さんが止めた。
 麻那人は初めての箸も案外器用に使って、言われたとおりに骨を綺麗に身から外した。

「うわぁ、美味しいなぁ。カレイも大好きだよ」

 美味しい甘じょっぱいタレが染み込んで、フワッと美味しい身のカレイ。
 麻那人はカレイも、大好物の一つになった。

 それから風呂上がりに、宿題のプリントを終えてアイスタイム。

 ふと、ラーの事を思い出す。
 暗い顔をしたからか、麻那人もそれに気付いたようだ。

「君と蘭子ちゃんは元から仲が悪いの?」

「……一番の仲良しだったよ……」

 仲が悪いと思われても、仕方ないと光は思った。

「ラーとはね保育園の時から一緒だったの」

 お父さんがお風呂に入っている時間なので、ファルゴンもパタパタと光の頭の上を飛ぶ。