「そうかぁ? じゃあ今日の夕飯は光の大好きなオムライスにしようか!」
「え!? やった~!」
「あ、ケチャップの残りがすくないな……お父さん買い物に行ってくる」
「わかった~~あ、私も出かけるかも……」
「こんな時間から? 暗くなると追いかけ鬼が来るぞ~」
「もう~やめてよぉ。すぐ帰ってくるから」
「光のことは信用してるけど、気をつけるんだぞ」
お父さんは笑いながら買い物かごを持って出て行った。
クロと一緒にソファに寝転ぶ。
時計は十六時。
今日は、魔法クラブの四人で学校の裏山で召喚魔法をする予定だった。
「(今日の十七時が一番良い! ってずっと前から計画してたのに……)」
光には突然、あの三人に言われた事が理解できない。
たしかに、先週の放課後に準備のことで少し言い合いになったけど、光は次の日にはすっかり忘れていた。
「今年一番……ううん、百年に一番、今日が最適の日なのに!」
出掛ける時間は、十八時までが学校の決まりだ。
「今なら……間に合う、やってみようかな?」
光はリュックを背負い、スマホをポケットに入れて家を飛び出した。
「一人ぼっちになっても、魔術クラブは解散しない!」