「なんだよ、あいつ……勝手に……!」

「空太、いいよ」

 ここで空太とラーに文句を言うのもイヤだな、と光は思った。

「……光……あたしら、つまんないまでは言ってなかったんだけどね」

 リィが言う。

「……光ちゃん、私も……うん……あの……」

 ルルの言葉は最後は聞こえなかった。
 二人とも、気まずそうな顔で下を向く。

「ううん、気にしてないし気にしなくていいよ……でもなんだろね、どうしよっかね……」

 光もうまく言えない。
 どうしよう、と困ってしまう。

「じゃあ今日は、みんなで鬼ごっこでもしようよ」

 麻那人が笑顔で言った。

「麻那人……?」

「また、全員で今後のことは考えようよ」

「でも……」

「魔術クラブは始まったばかりでしょ」

 麻那人はラーも入れての、魔術クラブの話をしているんだとわかった。

「さっき、麻那人は何も言ってないのに二人でクラブ作ればって言ってごめんなさい」

 光のごめんなさいに、麻那人はやっぱりニコッと笑う。

「何も気にしないよ。さ! 遊ぼうよ」

「そうだな! おい、みんなで何鬼する!?」

 空太が元気に言うと、みんなでワーッと笑顔になった。

「高鬼しよ!」

「なんだいそれ?」

 鬼ごっこしようと言ったのは麻那人なのに、高鬼のルールも知らなかった。
 なのでみんなで教えて、下校時間まで汗だくになって遊んだのだった。