言われっぱなしの光じゃない!
 立ち上がって、ラーに向き直る。
 
「魔術クラブはね、都市伝説や学校の怪談も研究対象なんだよ!」

「だからそれが子どもっぽいって言ってるのぉ!」

「それが嫌なら、やめていいんだよ! 麻那人と新しいクラブ作れば!?」

「なんですってぇ! まぁそれでもいいけどね! そうしよっかしら!!」

 ラーも負ける気がないようだ。

「仕切り屋って私の事言うけどさ! いっつもノートにメモした呪文覚えてきてね! って言っても覚えてこないし! じゃあ私がやるしかないでしょ!」

「モデルの仕事で忙しい時もあるの!」

「材料の分担だって、みんなで決めよう! って私言ってたもん! でもみんな無理っていうからさ!」

 つい光もイライラが爆発して、一気に言ってしまう。

「光……、あの、わかるよ……任せっきりだったって思う」

 リィが申し訳なさそうに言う。

「リィ! 何それ! なんでも光が決めるのが悪いじゃない! つまんないって言ったよね!?」

 ラーが怒った顔で、リィを見る。

「わ、私は……私は絵しか描けないから……色々教えてもらってる……」

「ルルまで!」

「……でも、ちょっと難しかったりもしてさ。あたしらはさ、魔術って初心者だから、覚えられないことも沢山あるんだよね」

 リィが言う。

「うん……わからない事が多くて……」

 ルルも言う。
 
「あ……」

 確かに、小さなころから魔術の本や道具を見てきた光には『常識』なことでも、三人には難しいことがあったかもしれない。