駄菓子屋を出て、歩いて歩いて、裏山にやっと着いた。

「麻那人く~ん! こっちこっち!」

「神社の方に、みんないるみたい!」

 ラーの声が聞こえたので、そっちに行くと全員がそろっていた。
 神社の周りは林になっていて、薄暗く、静かだ。
 昨日の今日なので、光はちょっとゾッとしてしまう。
 
「おそかったな」

 空太は神社から離れたところで、リフティングしていたようだ。
 光と麻那人がやってくるのを見て、走ってくる。
 
「ちょっと買い物してきたんだ~。空太はサッカー今日は休みなの?」

「そ! 俺がサッカー休みの日に、魔術クラブの活動やれよな」

「えー自己中!」

「だって、仕方ないだろ! 俺は絶対、魔術クラブには出たいんだから」

 空太の一生懸命さに、光は不思議そうな顔をする。

「空太ってそんなに魔術好きだったの? いっつも馬鹿にしてたくせに。ツンデレってやつだね」

 ツンデレというのは、ツンツンしている態度なのに、本当は大好きで内心デレデレというやつだ。
 
「なっ……ちげーよ! お、俺は魔術じゃなくって! いや、なんでもない!! んでさ、魔術クラブって何をやるんだよ?」

「えっえっとぉ……(何も考えてなかったよ!)」