「か、神様? 悪魔もいて、神様もいるの?」

「そりゃいるよ。人間だって、いろんな人種がいるし国も違うでしょ」

「……うん。そういうもの?」

「そういうものだよ」

 わかるような、わからないような……。

「精霊様もいる?」

「いるいる。妖精もいるよ」

「ふ~ん……(あぁ……妖精様もいるのに! どうして魔法陣間違えちゃったの!?)」

「あはは、それなのに悪魔召喚の魔法陣をえらぶなんてさ~光は面白いよね」

 同じことを麻那人に突っ込まれてしまう。

「もう! それは知らなかっただけだもん」

「あはは、まぁ僕は、今がすっごく楽しいから良かったと思うよ」

「……楽しい……」

「うん。光と一緒だと、なんでもすごく楽しいよ」

「えっ……」

 麻那人の笑顔がまぶしく感じた。
 こんな、なんでも真っ直ぐに言ってくる人ってあんまりいないと光は思う。

「(いや、人じゃない。悪魔だし……でもでも、なんかドキドキする!?)」

 照れくさくなって、あっちを向いた。

「じゃ、じゃあ行こう」

「うん」

 でもちょっとだけ、悪魔王子と一緒にいるのも楽しくなってきた光だった。