「そうだね~~せっかくの人間の子どもだし~~~キラッキラの楽しい気持ちをもらおうかな」

 ニコニコしたまま女の子は言う。

「な、なにそれ!?」

「ふふふ! いいよ、僕は今すっごく楽しいからね。いくらでも出てくるよ。はい」

 おどろく光を横にして、悪魔王子は小銭を渡すように手を女の子店員の方へ向ける。

「ほ~い」

「ほらほら、いっぱい出るよ!」

 キラキラとした光の粒がコインのように、女の子の手に落ちた。

「え!? どゆこと!?」

「だから、僕の楽しい気持ちさぁ~」

 なんだか麻那人まで喋り方が移ってる!?

「あ~~らすごいねぇ~。でも此処は~駄菓子屋だよ~。こんなに払ったって大きな丸い高級ケイクなんか~ないんだよ~~」

「(丸い高級ケイクって、ホールのケーキかな……? あれがお金のかわりになるのぉ!?)」

「駄菓子がほしいんだ。お釣りはいらないよ。じゃあこの子と二人で買い物するね」

「変な子だ~~あんた~~本当に人の子かい?」

「へへっまぁ人の子だね。じゃちょっと買い物させてよね」

「どうぞ~~」

「(バレそうじゃん!)」

 疑われてヒヤッとするけど、麻那人は笑ったままだし、店員さんはそれ以上何も言わない。