「だがしや、駄菓子屋ってやつだね」

「ほ、本当だ……看板に書いてる……『駄菓子屋ぺってぽりん』だって」

 驚きでドキドキする。
 
「(コレは一体どういうこと!?) 魔法で出したの?」

「違うよ。僕は見えるようにしただけ」

「見えるように……」

 つまり、この店はここにずっと存在していたってことだ。 

「入ってみよう。みんなに飴玉でも買っていこうじゃあないか」

「さすがハンサム! 思いやりがあって最高! さすが我らが悪魔王子ですじゃあ!」

 褒め称えるファルゴン。
 ハンサムってイケメンってことだっけ? と光は思う。
 
「は、入れるの??」

「お店だよ? 開店中だ」

 あわてる光を横に、悪魔王子はガラスの引き戸を横に開ける。
 気付けば店の外にがガチャガチャもあるけど、カプセルのなかで何かうごめいている?

「こんにちはぁ~!」

 麻那人が笑顔で挨拶する。

「はぁ~~い~~。いらっしゃ~~い」
 
 ドキッとした。
 誰かいる!!
 またびっくりした。
 ゆっくりとした喋り方の声が聞こえてきた。