魔術クラブに入ると言って、みんながポカーンとする。

「わー! わーっ! わぁああああ!! 麻那人! トイレの場所教えてあげる!」

「へっ? さっき行ったけど」

「いいから!!」

 麻那人の腕を掴んで、光はぴゅーっと廊下へ逃げ出した。

「ここ!」

「知ってるよっ」

 もちろん言い訳だったのでトイレを教えたけど通過して、西の窓側に行く。
 ここは薄暗くて人があまり来ない。

「どうしたの?」

「魔術クラブは学校のクラブじゃないの! みんなに秘密なんだから! ……ってかどうしてクラブの事知ってるの?」

「あの裏山で、何かそんなような事を言ってたよ」

「(私、そんな事言ってのか……)」

 光は自分で魔術クラブの事を言ってたらしい。
 あの時は混乱しすぎて、あんまり覚えてない。
 
「クラブって聞かれたからさ~それなら光と一緒にと思ってたんだけど、違うんだね」

「そ、そうだよ~! みんなに変な事言わないでよね!」

「学校のクラブは何クラブなの?」

「私は~科学実験クラブ」

「科学? 君っておもしろいね」

「なんで?」

「科学って……僕達が闇なら、科学は光さ」

「そうなの……?」

「でも悪魔は知識欲がすごいんだ。科学だって知りたいよ。じゃあ僕も科学実験クラブに入ろう♪」

 嬉しそうな顔で笑う麻那人。