「え、いや……だってごかいされたら困るだろ?」
「うん……まぁね。そう! 婚約者なわけないでしょ! だって」
『こいつは悪魔王子!』と言い出しそうになる自分の口を、あわててふさいだ。
みんなに言ったらどうなることか!!
「ふふ。そんなにあわてなくても、じょうだんだってみんなわかるよ」
楽しそうに麻那人は笑う。
みんなも笑って、しかめっ面は光と空太だけ。
「海外ってどこに住んでいたの?」
色んな子がワイワイと次々に麻那人に質問をする。
「う~ん、アメリカのような……ヨーロッパのような……インドのような……中国のような……北極のような……感じかな」
「へぇ!」
「すっごい!」
「さすが~」
絶対おかしい答えなのに、何故かみんな納得している様子だ。
「なんでだよ……あの解答、答えになってねーだろ……」
何故か空太は、麻那人のさいみん術にあんまりかかっていない。
「(さいみん術もかかりやすい人と、かかりにくい人がいるってテレビでやってたから空太はかかりにくいのかも! でも麻那人が悪魔王子だなんて、絶対に信じないよね……言わないでおこう)」
一人で納得する光と、少し困惑した顔の空太。
二人を前に、まだまだ質問コーナーは盛り上がる。