「空太! 光の隣に麻那人を座ってもらうからお前は、こっちの席にズレてくれ」

「はぁー!? なんで俺がっ」

「えっ(どういうことーーー!?)」

 普段はこんな事には、ならないようにするはずだが。
 やっぱりどこかでおかしな事にはなってしまうようだ。

「すまん!! 急な事でさ。空太、がまんしてくれな」

 先生も謝るし、周りのみんなも『いーじゃん空太』と言う。

「僕のために、ごめんね。ソラタ君」

 麻那人がペコリと頭を下げた。

「べ、別にいーけど……今、机動かすからっ」

「ありがとう」

 空太がチラっと光を見た。
 光は『手伝う?』と言った。

「ひっ一人でできるに決まってんだろ」

 そう言って空太は机を自分で動かして、後ろに置いてあった机が光の隣に来た。
 光、麻那人、空太で横並び。

「あらためて、よろしくね。光」

「あ、あはは、うん……よろしく……」

 隣の席の麻那人は、ニコッと笑う。
 後ろのロッカーに置かれたランドセルにはやっぱり、おまんじゅう悪魔おじさんが付いたまま。

「よーし! じゃあ五時間目は国語だったけど、麻那人の歓迎としてお楽しみ会にすることにしまーす!」

 クラスが『やったー!』と盛り上がった。
 
「一体……どうなっちゃうの~?? でもお楽しみ会はめっちゃ嬉しい!!」

 ガッツポーズをする光の横で麻那人もニコニコだ。