悪魔王子と出逢って、悪魔王子が家に来た夜……の次の日。
昨日は疲れて疲れて、とりあえず自分の部屋で寝た光。
怖い夢や楽しい夢を見て、あぁあれは夢だったんだ! と思っていたが……。
「おはよう光! 良い夢見れたかい??」
今日も朝からエプロン姿のお父さん。
いい香り。
パンの焼ける匂い、卵の焼ける匂い。
ココアの匂い。
「おはようお父さん~~(あぁ……やっぱり昨日のは夢……)」
「おはよう光! おじさんのハムエッグ、すごく美味しいよ!!」
朝日が差し込むリビングで、ハムエッグとトーストを頬張る麻那人こと悪魔王子。
「(ガーーーン!! 夢じゃなかった……)」
嬉しそうに微笑む麻那人と、反対にユラユラと幽霊のように落ち込む光。
「光は目玉焼き? ハムエッグ? どっちにする?」
お父さんは今日もニコニコだ。
「……目玉焼き……お願い」
「了解♪」
「へぇ~人間も、物騒なもの食べるんだね」
「なにを想像してるわけっ? 目玉焼きってこういうの!」
お父さん特製の目玉焼きは、半熟で黄身が二つ。
それに醤油をかけて、ご飯と食べるのが光は大好きだ。
一緒に焼いてもらったベーコンも絡めると、朝からおいしさ天国!