悪魔王子~~~~~!?

「な、なななななななな!! あんたっ!?」

「美味しいなぁーー! こんな美味しいオムライスは初めて食べたよ! 最高だね!」
 
 大喜びの悪魔王子は、トロットロオムライスをまたほおばる。

「そうかい? 喜んでもらえて嬉しいよ! おかわりするかい?」

 特製オムライスを褒められてお父さんはゴキゲンルンルンだ。

「お、お父さんなにやってんのぉ!?(そ、そいつは悪魔なんだよ!?)」

「ん? オムライス作ってたけど……?」

 驚きまくりの光を見て、不思議そうなお父さん。
 
「ぜひ! おかわりしまーす!」
 
「ぜひ! じゃないよー!! な、なんであんたがここに!?」

 混乱しながら叫ぶ光。

「こらこら! なんてこと言うんだい。今日から来るって話をしてたじゃないか」

「え!? お父さん!? どういう事!?」

 聞いてないよ! と光は思う。

「お父さんの大の親友の息子の亜久(あく)麻那人(まなと)君だよ」

 悪魔王子は、さっきまでのマントやスーツを着ていない。
 角も牙もない。
 ちょっと、良いところの坊っちゃん風でワイシャツにベストにズボン。
 普通の人間の男の子みたいだ。

「どうも、麻那人だよ。よろしくね光」

「は、はぁ~~!? あ、あんたっ! お父さんに何をしたのよ!?」

 つい怒鳴ってしまう光。

「こら! 光! 麻那人君に失礼を言うんじゃない! ごめんね~麻那人君」

「いえ、全然。びっくりさせちゃったんだと思います」

 困り顔のお父さんに、あははっと笑う麻那人。

「前から話をしていたのに、困った子だなぁ」

「お、お父さん! 親友って誰!? 名前を言ってよ?」

「ん? う~ん? えっとぉ……あれ?」

 お父さんは、思い出せないような顔をする。
 
亜久(あく)大雄(だいお)ですよ。おじさん」

「あー! そうだよ! 大雄に怒られるな! ど忘れしちゃうなんて! あっはっは! さぁ光の分も作るから待っていなさい」