キラッキラでポカポカの春。
 桜のお花見が終わった頃、校庭は桜の花びらが舞い散っている。
 
 眠子寝子(ねこねこ)市の市立・眠子寝子(ねこねこ)小学校の子ども達は今日元気に勉強中。
 小学校の校舎は古いけど、みんなで大事に使っているので綺麗だ。
 
「この問題がわかる人いるか~?」

 給食が終わった午後。
 五時間目の算数の授業。

 しっかり聞かなきゃいけないのに、ノートについコンパスで円形を書いてしまう女の子がいた。

 名前は羽間(はざま)(ひかる)
 小学校五年生。
 国語と体育が好きで算数が苦手。
 いつもスポーティなトレーナーにジーンズのキュロット。
 長い髪をポニーテールをしている女の子だ。

「むふ……むふふ」

 円形のなかに色々と文字を書いてニヤニヤ……隣の男子がのぞきこむ。
 光の幼馴染の男子、空太(そらた)だ。
 髪は短めで、眉毛は太い。
 もう夏用のTシャツ姿で、サッカー大好きスポーツ少年。
 
「光のやつ、ま~た書いてる」

「ちょ! 見ないでよっ」

 バッと隠して大きな声をあげてしまった。

「羽間~? わかるのか? じゃあ答えなさい」

 担任の小林タカシ先生が光に当てた。

「え!? あっあ~~ええと~~!! えっとえっと!」

 先生に当てられて、パニックになってしまう光。