悪魔王子が家に来たら、お父さんは失神してしまう! と光は思う。

「こら! 子どもよ何を言うか! お前の先程の召喚魔法の意味を知っているのか?」

「え? あの呪文の意味?」

「知らないで唱えたの?」

「う……うん」

 あれはおじいちゃんの魔導書に書いてあったものを読み上げただけだ。
 
「(意味なんかあったの?)」

「私の身も心も命も財産もあなたに捧げます」

「えっ!?」

「私はあなたの下僕となる。未来永劫、あなたの下僕となる……」

「う、うそでしょ!」

 なんという最悪な内容!

 ショックで光は固まってしまった。

「その契約で、僕は此処に来たんだよ」

「ご、ごめんなさい! じゃあ取り消しで! あはは! 無しでお願いします!」