「あっあっ……あっ……」

「あぁ! 王子自ら名乗られるとはっ! 人間の子どもよ! ひれ伏すのだっ!」

「あっあっあくま?」

「うん? うん」

「悪魔!?」

「うん」

「あくの……ま?」

「ん? うん。悪の魔」

「妖精じゃなくて!?」

「うん……え?」

「……あの魔法陣で……来てくれた……?」

「そうだけど」

「人間の子どもよ! あんな安っぽい魔法陣で我が王子が召喚される事など極めて異例……!」

「私、妖精を呼んだつもりだったんだけど……」 

 光が言う。

「えっ」

「えっ」

「えっ」

 三人の『えっ』が重なった。 

 ぴゅ~っと風が吹いた。